鈴と小鳥とそれから私とサウナ

【全作品紹介】 綾辻行人「館シリーズ」 読む順番 衝撃度ランキング

更新日:2020年3月31日

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こんな人向けの記事だよ。
・綾辻行人氏の館シリーズに興味がある人
・「十角館の殺人」の次に何を読んだらいいか知りたい人
・館シリーズ好きな人の勝手な話を見てニヤニヤしたい人



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サウナ探偵です。
ミステリ、読んでますか?
みんな大好き綾辻行人氏の館シリーズについて紹介するよ。
読書ブロガーなら一度は書いてみたいヤツだよね。
だから、書きました。
やっと奇面館が読み終わったので。

館シリーズとは
ミステリ作家 綾辻行人氏の人気シリーズ。
建築家中村青司が日本各地に建てた奇妙な“館”を舞台とした殺人事件を描く。
叙述トリックや大掛かりな仕掛けのほか、一般にタブーとされている隠し扉や秘密の抜け道が必ず含まれている館が魅力。


ランキング形式にしようかとも思ったけど、初めから読んでこそ意味があるので順に紹介する。
全部読んだ人は時計館が1番!とか暗黒館が最高傑作!とかいうけど、時計館から読んで欲しくはないからね。

絶対に順番に読んでくれ!絶対にだよ!




(1)十角館の殺人

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

言わずと知れた新本格ミステリの金字塔、十角館
嵐の孤島。謎の館。次々と殺されていく登場人物。
かの女史の名作を思わせるクローズドサークルを、さらにアップグレードさせた一級品。
いきなり横からミサイルを撃ち込まれるような””例の一行””の衝撃に、脳汁出まくり。
記憶消してもっかい読みてー。まじで。


(2)水車館の殺人

水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

館シリーズ待望の2作目の舞台は、ゴムマスクをつけた主人が住む水車館
水車館の絵画を見に年に一度訪れる人々の身に降りかかる殺人事件。
館シリーズの中ではかなりフェアな部類で、十分に推理可能。
1年前と現在を行き来する事件の真相を真面目に考えてみるのも楽しい。
島田さんが初めて探偵らしい探偵になるのも見どころ。


(3)迷路館の殺人

迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)

迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)

館シリーズ3作目の館は、館全体が迷路になっている迷路館
特徴的なのは、「迷路館の殺人」自体が小説家 鹿谷門実による作中作であるということ。
迷路状の館。招待主の自殺。首を切られた死体。そして謎の小説家。
謎の果ての謎。全てが紐解かれる爽快感はシリーズ随一。


(4)人形館の殺人

人形館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

人形館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

館シリーズの中でも特に異彩を放つ人形館
4作目ということもありかなり変化球的な作品。
それもあって館シリーズのランキングサイトなんかではやたらと不遇な扱いをうけてる。
でも悪くないんだよ!トリックは館シリーズ“”だからこそ“”の仕掛けになってて僕はけっこうすき。
他の著者の単発ではこのトリックは使えない。
人形館みたいな作品があるから、館シリーズは順番に読まないとダメってハッキリ言える。


(5)時計館の殺人

時計館の殺人<新装改訂版>(上) (講談社文庫)

時計館の殺人<新装改訂版>(上) (講談社文庫)

時計館の殺人<新装改訂版>(下) (講談社文庫)

時計館の殺人<新装改訂版>(下) (講談社文庫)

館シリーズランキングで一位に挙げる人も多い時計館
死者数は十角館を抜いて一位なのでは?
割と伏線がわかりやすいので、序盤で気づいてしまう人もいるかも。
物語的なおもしろさはシリーズの中でも1番。
ラストの大仕掛けも含めて、非常に映像映えしそうな作品。


(6)黒猫館の殺人

黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)

黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)

シリーズの中ではなかなか影の薄い黒猫館
なんか館内の平面図もいきなり単純じゃない?
ただしスケールの大きさは最大級!
トリックには途中で気づけたけど、このスケールの大きさは想定外!
平面図をよ〜く見て!


(7)暗黒館の殺人

暗黒館の殺人(一) (講談社文庫)

暗黒館の殺人(一) (講談社文庫)

暗黒館の殺人(四) (講談社文庫)

暗黒館の殺人(四) (講談社文庫)

暗黒館の殺人(三) (講談社文庫)

暗黒館の殺人(三) (講談社文庫)

暗黒館の殺人(二) (講談社文庫)

暗黒館の殺人(二) (講談社文庫)

7作目は館シリーズ集大成の暗黒館
文庫版は4巻構成2000ページ超の超大作。メチャクチャ長い。
4つの棟からなる暗黒館の平面図は、1巻を読み終わる頃にやっと頭に入ってきた。
長いこともあって回避する人もいるみたいけど、僕に言わせると「暗黒館を読まずして館シリーズを語るべからず」というくらい重要作品。
やっぱり館シリーズの主人公は、島田さんでも江南君でもなく館なんだよなあ。
あんまり推理しようと思わず、気長に雰囲気を楽しむくらいのほうが、最後に棚ぼた的にびっくりできておすすめ。
しかし、こんな大作を書いてしまって、10作目はどう終わらせるんだろう…?


(8)びっくり館の殺人

びっくり館の殺人 (講談社文庫)

びっくり館の殺人 (講談社文庫)

超大作の暗黒館の次はまたまた異色作のびっくり館
児童向け作品とあって、主人公は子供で挿し絵もある
ただしミステリーというよりも、ホラー寄りの雰囲気。
最後に謎を残すような終わり方なのも他作品と違った雰囲気を楽しめる。


(9)奇面館の殺人

奇面館の殺人(上) (講談社文庫)

奇面館の殺人(上) (講談社文庫)

奇面館の殺人(下) (講談社文庫)

奇面館の殺人(下) (講談社文庫)

館シリーズの現時点での最新刊は奇面館
招かれた客人と主人が鍵のかかる仮面をつけて一晩を過ごすうちに起こる殺人事件。
シリーズ初期作に近い真面目なハウダニット、ホワイダニット。
登場人物が全員仮面で記号に振り切っているので、推理に専念できる。
物語中盤で示される3つの謎に挑んでみるのもいい。


ランキング

ランキング形式にしないと言ったな。
あれは嘘だ。

独断と偏見で、ある観点においてTOP3を決めてみた。
異論は認める。


衝撃度

「ぶっちゃけどれが1番“”“ヤベェ”“”のか教えてくれ。」

1 十角館の殺人
2 暗黒館の殺人
3 時計館の殺人


大仕掛け度

「スケールのデカい話が好きなんだよ俺はよ。」

1 時計館の殺人
2 黒猫館の殺人
3 迷路館の殺人


映像化不可能度

「映像化できねえ“”“小説だからこそ”“”ってのが読みテェんだ。」

1 十角館の殺人
2 暗黒館の殺人
3 人形館の殺人


お気に入り平面図

「建築家を目指しているのでカッコいい平面図が知りたいです。」

1 迷路館の殺人
2 時計館の殺人
3 暗黒館の殺人


真面目に推理度

「『知的な遊び』がしてえんだよ。」

1 奇面館の殺人
2 水車館の殺人
3 時計館の殺人


好きな作品度

「御託はいいから結局どれが好きなのか教えろ。」

1 十角館の殺人
2 暗黒館の殺人
3 時計館の殺人


まとめ

ミステリ好きには知らぬ人はいないと言ってもいい館シリーズ。
何を隠そう僕自身、十角館の殺人からどハマりしてしまった。
特にミステリ好きというわけではない人でも、ぜひ十角館から読んでみていただきたい!
どんどん次の館が楽しみになってしまうこと必至。
ぜひ、エラリイの言うところの「知的な遊び」を堪能してみては!





おわり。

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